
最近使っているAIをまとめました!
「AIに仕事が奪われる」——そんな言葉が飛び交っていますが、デザインの現場の第一線にいる人間からすると、答えは「NO」です。むしろ、AIは私たちの「最強の右腕」になり得ます。
僕のキャリア20年の中で、写植からDTP、Webへと変化の波を経験してきましたが、今のAI活用術ほどデザイナーの「労働の質」を劇的に変えたものはありません。今回は、私が毎日活用しているGeminiとAdobe Fireflyを軸にした、「明日から現場で使える」具体的な使い方をまとめました。
WEB・グラフィックデザイナーがAI活用術を取り入れるべき3つの理由
なぜ今、デザイナーがAIを使いこなすべきなのか。それは単なる「時短」以上の価値があるからです。
1. 単純作業からの解放とクリエイティブな思考時間の確保
ラフ制作や写真の切り抜き、メールのやり取りといった「作業」に追われ、肝心のコンセプトを練る時間が削られていませんか?AIに作業を振ることで、私たちは「なぜこのデザインなのか」を考える、人間本来の創造的業務に集中できます。
2. プロトタイプ(カンプ)制作スピードの圧倒的向上
クライアントへの提案時、イメージに近い素材を探すだけで数時間かかることがあります。AIを使えば、頭の中にあるイメージをその場で可視化でき、合意形成までのスピードが数倍に跳ね上がります。
3. 自身の引き出しにはない「意外なアイデア」との出会い
自分の経験則だけでデザインすると、どうしても「いつものパターン」になりがちです。AIを壁打ち相手にすることで、自分では思いつかなかった配色やコピーの切り口が生まれ、表現の幅が広がります。
【実践】Geminiでデザインの言語化とディレクションを効率化
GoogleのAI「Gemini」は、私の秘書であり、優れたコピーライターでもあります。特に以下の使い方は、事務作業を劇的に減らしてくれます。
01|メールの返信
デザイナーは制作だけでなく、進行管理も重要な仕事です。
メールを入力する画面の下側(送信ボタンの2つ隣)にあるボタンをタップします。

そうすると入力バーが出てくるので、その中に「プロンプト」を入力します。今回は試しに「返信文を作成して」と入力しました。

直後に、返信の提案をしてくれます。クライアントの署名から「会社名」や「氏名」なども自動で入れてくれるのでとても便利です。

生成をやり直したい場合は「再作成」を行えますし、「ブラッシュアップ」もできるので、「よりフォーマルに」や「より詳しく」などの調整が可能です。

最後は全文を確認し、修正を加えたり、自分らしい言い回しに変更し送信をします。0→1でメール文を考える手間が省けて効率も上がりました。また、文章化しにくい内容も相談しながら組み立てられるので、検索して複数の記事を読まなくても良くなりました。
02|メールで届いたスケジュールをカレンダーに入れる
Gメールに届いた打ち合わせのスケジュールを、Googleカレンダーを開いて手入力していませんか?この方法を使うと、1アクションでカレンダーに登録してくれます。
●右上にあるダイヤモンドのアイコンをタップして、Geminiのサイドパネルを開きます。

●開いたサイドパネルに以下のプロンプト入力するだけです!!
【プロンプト】
このメールの打ち合わせ日程をカレンダーに入れて

●そうすると、Googleカレンダーに打ち合わせの時間、zoomなどのURLがあればその日程まで入れてくれます!

03|カレンダーの開いている日を複数出してくれる
逆に、空いている日程を聞かれる場合もあると思います。そんな時もGeminiを使って、空いている候補日をサイドパネルに箇条書きで出してくれます。やり方は、先ほど同様にダイヤモンドマークをタップして、下記のプロンプトを入力するだけです。
【プロンプト】
Googleカレンダーを見て、来週の平日10:00-17:00の間で、空いてる1時間枠を5つ出して

04|執筆と校正:PDFも丸投げでOK
自分で作った原稿やクライアントから支給されたデータのチェックにも役立ちます。これもGeminiにデータをインポートしてプロンプトを入力するだけです。今回はGoogleドライブにアップされている、Googleドキュメントを読み込んで、下記のプロンプトを入力しました。
【プロンプト】
ドキュメント内の文字で、表現が不適切なところや、誤字脱字を探して

▼下記のような内容で生成されました。
- ご提示いただいたドキュメントを確認しました。
明らかな誤字脱字は見当たりませんが、広告宣伝における法的なリスク(景品表示法など)や、他社の商標権に抵触する恐れがある表現が含まれています。修正や確認をおすすめする箇所を、重要度順にまとめました。- 1. 法律・権利関係で注意が必要な表現(重要)
チラシやWeb広告として公開する場合、以下の表現は修正を強く推奨します。
- 「リバウンドしない」
- 理由: 「絶対にリバウンドしない」と断定する表現は、景品表示法(優良誤認表示)に抵触するリスクが高いです。人体の変化に「絶対」はないため、根拠のない断定表現はNGとされるのが一般的です。
- 修正案: 「リバウンドしにくい体へ」「リバウンド対策も万全」など、断定を避けた表現にするのが無難です。
- 「結果にコミットする」
- 理由: このフレーズは、競合他社(ライザップ)の有名なキャッチコピーとして広く認知されており、商標登録されている可能性があります。独自のジムの魅力を伝える上で、他社の模倣と受け取られるリスクや、権利侵害のリスクがあります。
- 修正案: 「結果を追求する」「理想の身体へ導く」「確実に結果を出したい方へ」などに変更することをおすすめします。
- 2. 表記・記号の確認事
- 項矢印の表記 (→)
- ドキュメント上では数式記号(LaTeX形式)の $\rightarrow$ が使われています。デザインデータやWebサイトにコピー&ペーストする際は、文字化けを防ぐため、通常の矢印記号「→」や、デザインアイコンに置き換えてください。
- プレースホルダー(入力必須項目)
- 以下の角括弧 [ ] で囲まれた部分は、公開前に必ず実際の情報に書き換えてください。
- 通常価格: [金額]
- 住所詳細: [都道府県・市区町村・番地 ビル名]
- ドメイン: [ジムのドメイン]
- Web情報: [QRコードやURL]
- 3. 誤字脱字について
- 文章としての明らかな誤字や脱字は見当たりませんでした。「一生モノ」や 「完全個室」といった表現も、一般的な広告用語として問題なく通じます。
【実践】Adobe Fireflyでビジュアル制作をアップデートする
ビジュアル面では、PhotoshopやIllustratorに統合されている「Adobe Firefly」が主役です。
イラスト・画像の生成と編集
「ストックフォトに良い写真がない」……。そんな時は、Fireflyでイメージを生成します。
- 生成塗りつぶし:写真の画角が足りない時に背景を伸ばしたり、モデルの服装を変えたりする作業が、ブラシでなぞるだけで完結します。
- 動画化とBGM生成:最新のFireflyでは、静止画を動かす「画像から動画(Image to Video)」機能や、動画に合わせたBGM作成も可能になりつつあります。SNS広告のバナーを動画化する際、外注コストをかけずに自社完結できるのは大きな強みです。
AI活用術を最大化する「デザイナーの目利き力」と注意点
AIは万能ではありません。使いこなすには、プロとしての「目利き」が不可欠です。
AIの成果物を「そのまま」使わない
AIが生成した画像には、指の本数がおかしかったり、パースが歪んでいたりすることがあります。それを見抜き、Photoshopで修正を加えて「完成品」に仕上げる。これができるのは、基礎を積んできたデザイナーだけです。
権利と商用利用の壁
Adobe Fireflyは、Adobe Stockの画像を学習元としているため商用利用の安全性が高いのが特徴です。一方、他のAIツールでは著作権のリスクがあるものも。プロとして、**「どのAIならクライアントに納品できるか」**という法的知識を持つことは、スキル以上に重要な責任です。
まとめ|AI活用術を武器にして、一歩先のデザイナーへ
20年前、アナログからデジタルへ移行した時と同じように、今はAIを受け入れる転換点です。
- まずは明日、メールの返信案をGeminiに作らせてみてください。
- 次に、写真の背景をFireflyで少しだけ伸ばしてみてください。
小さな一歩が、あなたのクリエイティブな時間を生み出します。AIはあなたの仕事を奪う敵ではなく、あなたの想像力を拡張する、史上最高の「ペン」であり「筆」なのです。


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